小生の職業は店舗ドクター。
名前は店舗ドクターテツ。
8月某日、小生の携帯がなる。
仲間でもある新丸子の焼き肉店オーナーからである。
「エアコンが壊れたみたいで、至急対応とれませんか?」
これからすぐに?
しかし、すでにお店は営業時間。
明日の営業前が最短にて訪問。
店舗到着、早速確認調査。
リモコンにはすでにエラーメッセージ (H03)東芝製。
ネット検索の答えは、
(室外機が回転しない)の内容
これは初めてだなあ!
もう、この場合は職人さんに診てもらうしかない。
「室外機が回転しないというエラーメッセージが出ていますので、職人さんに診てもらいます」
と伝え、職人さんに連絡すると明日の営業前に訪問可能との回答。
通常のエアコン専門会社の営業マンであれば、ここで一旦終了となる。
壊れているのが明白であり、職人さんの確認が必要だからである。
しかしながら、店舗ドクターの仕事は営業だけではない。
ドクターである。
つまり、壊れていることの原因と解決は職人さんに診てもらうとして、
他に原因と問題がないかを診ることが診断なのでRからして、
その作業に入る。
①現状のエアコンの馬力が適正か?
→既存4馬力エアコン(焼き肉店のこの空間にしては小さいなあ?)
②室内の大きさ?
→約27㎡。
→部屋の広さ 27㎡ × 焼き肉店必要カロリー600 / 2000カロリー(1馬力)=8馬力
この段階で、理想の馬力の半分しかないことが判明。
③換気状況
→客席換気扇の風量測定
→客席の給気ファンの風量測定
→焼き肉店テーブル上の排気ダクトの風量測定
→厨房の排気シロッコファンの風量測定
→厨房の給気ファンの風量測定
本来はこれを調査測定するのだが、
実は2か月前にコロナ禍の換気調査として、測定済なのでR
排気量総計 1952.6㎥/h
給気量総計 1728.0㎥/h
これは28名収容のお店としては充分すぎる換気量であり、排気と給気のバランスもいい。
当然、厚生労働省の必要換気量の基準をはるかに上回っている。
コロナ対策としては完璧も、
エアコンの効率は下がる。
何故、エアコンに於いて換気が重要なのかを、誰でも理解できるように説明すると、
・もしお店の窓を全開にしてエアコン温度設定を23℃にした場合
・もし窓を全部閉めてエアコン温度設定を23℃にした場合
以上を比較したら、エアコンの効き方は同じですか?
そうです。当然窓を全開にすれば同じ温度設定23℃でも冷えにくくなります。
つまり、換気がどれくらい出来きているかを
エアコンの効率に加算しなければならないのでR。
④ヒアリング(ここが意外と重要)
聞けば、元々壊れる前もそんなに涼しくない。かつ、厨房の中は火力をほとんど使用しないとはいえ、エアコンがないので暑かったとのこと。
以上②③④から、もし交換が必要な場合の提案は、
適正エアコン馬力 10馬力 で、
厨房に分岐チャンバーにてエアコン吹き出し口2か所設置する
これが、今回の小生の解答。
ここで本日の任務終了。
さて、翌日の職人さんの調査。
回転しない室外機にて、メガテスター検査するも、
圧縮機が焼き付いた状態にて作動せず。
エアコン年数古いことも考慮し、
エアコンの交換工事を提案する報告書を提出。
オーナーによれば、
「居抜き物件で設備は何もしていない。」
「前のお店も焼き肉店だったので、そんなに馬力が小さいエアコンだとは思わなかった。」
「借りて初めての夏に壊れてしまって、交換するしかないですね!」
当然、4馬力より10馬力ではエアコン本体の値段は高額になる。
それでも小生の提案を理解してくれて、
「次回の定休日に工事お願いします」
ということで工事注文。
施工後のスタッフのことば
「涼しいです。これなら業務に支障ありません」
この一言が、小生の明日への活力!
エアコンのない厨房で奮闘する新丸子の焼き肉店に
店舗ドクター見参。
この対応のインタビューはこちら!
店舗ドクターは常に適切な診断を心がけるのでR。
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