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店舗ドクターはすぐに駆け付けるのでRの巻

更新日:2022年2月22日



小生の職業は店舗ドクター。

名前は、店舗ドクターテツ。




6月某日、小生の携帯が鳴る。


飲食業界をサポートするFOCというグループのメンバーからであった。

「恵比寿のお寿司屋さんが、厨房の排気ファンが急に動かなくなり、煙は吸わない、吸わないから熱中症になってしまうという状況で、業者さんに診てもらったら3週間後に最短工事可能って言われたみたいで、そんなに待てなくて困ってるから、何とかならない?」


時は金曜日の15時30分。


おう!

今日は今から動けるぞ!


「今からお店に調査行けるけど!」

当然、

「お願いします!」

の返事である。


店舗に到着。


まずは厨房から確認。

料理長らしき人から、

「お金ならすぐにでも払うから、明日にでも工事して欲しい!」

と真顔で訴えられる。

重症だなあ!

「まずは、原因をみさせてください」

と応対し、壊れていると思われる排気ファンは屋上にあるとのことで、屋上へと向かう。



排気用のミニシロッコファン発見。

覗いて驚きでR!


ファンの中に鳥が入って、その状態でファンが回ったらしく、ファンの羽は粉々。

通常は防鳥網などで鳥が入らないようになっているが、何らかの原因で破損して鳥が入れるようになったと思われる。


可能性はあるが、実際に経験は初めて。

直接の原因はわかった。


次は、ファンを交換するとして、ファンの能力が適正なのかをチェックする必要がある。

厨房の熱機器の熱量の確認である。

あるのは、

1 オーブン付きガスレンジ

2 ガスフライヤー

3 魚焼き器

以上

合計熱量は57KW


それを飲食店の厨房必要換気量の方程式にて適正排気風量を算出

2120㎥/h。

壊れたファンの能力は2270㎥/h。

つまり、同じもので問題はない。


そして、

次にそれに見合った給気(空気を取り込みこと)があるかどうかの確認である。

厨房の中に、給気らしきのものはなし。

しかしながら、すぐ横に壁掛けエアコンがあり、事実上このエアコンが給気の役目を果たしている。


次はダクトの確認

現状300×300の大きさ理想は300×500くらいは欲しいところ。

でも緊急を要するため、ダクト工事は今回提案から除外。


最後は一番大事なヒアリングである。

料理長に聞けば、

故障前は煙の吸い込みは問題なかった

とのことで、

ファンの能力を1ランクだけUPして、単純に屋上の排気用ファンの交換工事のご提案とした。





週明けの月曜日ファンの手配。火曜日入荷。職人さんは水曜日工事可能。

つまり、金曜日の夕方からの段取りでは、物理的に最短の工事日でR。



工事日の水曜日、朝8時から作業開始。

すると、突然の豪雨。

熱中症を何とかしようと思っているかのような土砂降り。


待ってくれ!


今日は屋上屋外の交換工事!


雨はノーサンキュー!


職人さん2名。それに私と新人社員の2名。

養生用で持ってきたブルーシートを仮設屋根にして、

私と新人がブルーシートを持ち上げる。


これぞまさしく人間テント!

現場とは常に原始的である!


約2時間後、交換作業も終わり、電気の結線作業と試運転に移行しようとしたその時、

土砂降りが嘘のように止み、急速に青空と太陽が照りだした。


おいおい!

からかわれてるなあ!


完了後に調理人の方たちに確認をとり、

喜んでもらう。


最後の後片付けに屋上に上がる。



信じられないような土砂降りがコロナの状況とすれば、

その後の青空と太陽が、店舗ドクターの夜明け!


緊急を要する困っている恵比寿のお寿司屋さんに


店舗ドクター見参。





店舗ドクターはすぐに駆け付けるのでR。



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