小生の職業は店舗ドクター。
名前は、店舗ドクターテツ。
6月某日、小生の携帯が鳴る。
飲食業界をサポートするFOCというグループのメンバーからであった。
「恵比寿のお寿司屋さんが、厨房の排気ファンが急に動かなくなり、煙は吸わない、吸わないから熱中症になってしまうという状況で、業者さんに診てもらったら3週間後に最短工事可能って言われたみたいで、そんなに待てなくて困ってるから、何とかならない?」
時は金曜日の15時30分。
おう!
今日は今から動けるぞ!
「今からお店に調査行けるけど!」
当然、
「お願いします!」
の返事である。
店舗に到着。
まずは厨房から確認。
料理長らしき人から、
「お金ならすぐにでも払うから、明日にでも工事して欲しい!」
と真顔で訴えられる。
重症だなあ!
「まずは、原因をみさせてください」
と応対し、壊れていると思われる排気ファンは屋上にあるとのことで、屋上へと向かう。
排気用のミニシロッコファン発見。
覗いて驚きでR!
ファンの中に鳥が入って、その状態でファンが回ったらしく、ファンの羽は粉々。
通常は防鳥網などで鳥が入らないようになっているが、何らかの原因で破損して鳥が入れるようになったと思われる。
可能性はあるが、実際に経験は初めて。
直接の原因はわかった。
次は、ファンを交換するとして、ファンの能力が適正なのかをチェックする必要がある。
厨房の熱機器の熱量の確認である。
あるのは、
1 オーブン付きガスレンジ
2 ガスフライヤー
3 魚焼き器
以上
合計熱量は57KW
それを飲食店の厨房必要換気量の方程式にて適正排気風量を算出。
2120㎥/h。
壊れたファンの能力は2270㎥/h。
つまり、同じもので問題はない。
そして、
次にそれに見合った給気(空気を取り込みこと)があるかどうかの確認である。
厨房の中に、給気らしきのものはなし。
しかしながら、すぐ横に壁掛けエアコンがあり、事実上このエアコンが給気の役目を果たしている。
次はダクトの確認。
現状300×300の大きさ理想は300×500くらいは欲しいところ。
でも緊急を要するため、ダクト工事は今回提案から除外。
最後は一番大事なヒアリングである。
料理長に聞けば、
故障前は煙の吸い込みは問題なかった
とのことで、
ファンの能力を1ランクだけUPして、単純に屋上の排気用ファンの交換工事のご提案とした。
▽
週明けの月曜日ファンの手配。火曜日入荷。職人さんは水曜日工事可能。
つまり、金曜日の夕方からの段取りでは、物理的に最短の工事日でR。
工事日の水曜日、朝8時から作業開始。
すると、突然の豪雨。
熱中症を何とかしようと思っているかのような土砂降り。
待ってくれ!
今日は屋上屋外の交換工事!
雨はノーサンキュー!
職人さん2名。それに私と新人社員の2名。
養生用で持ってきたブルーシートを仮設屋根にして、
私と新人がブルーシートを持ち上げる。
これぞまさしく人間テント!
現場とは常に原始的である!
約2時間後、交換作業も終わり、電気の結線作業と試運転に移行しようとしたその時、
土砂降りが嘘のように止み、急速に青空と太陽が照りだした。
おいおい!
からかわれてるなあ!
完了後に調理人の方たちに確認をとり、
喜んでもらう。
最後の後片付けに屋上に上がる。
信じられないような土砂降りがコロナの状況とすれば、
その後の青空と太陽が、店舗ドクターの夜明け!
緊急を要する困っている恵比寿のお寿司屋さんに
店舗ドクター見参。
店舗ドクターはすぐに駆け付けるのでR。
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