予期せぬことは深夜に訪れる。
7年連続施工した、新宿の某百貨店本店の毎年恒例のイベントの床のグラフィック施工1年目のこと。もちろん閉店後の深夜作業。
約1100mm巾、長さは約4mほどで、10mm重ねで50枚程を通路に貼っていく。
スタートして10枚ほどで職人さんが、
「スタートからすでに100mmラインがずれてます。このまま行くとどんどんずれていきますけど。どうしますか?」
原因は15mm厚の床の大理石が暴れていて、凹凸状態の為である。
それと素材が塩ビではなく、PET材の為伸縮しない。従って床の傾斜なりに貼っていくしかないのである。
柄を合わせながら貼ると、ラインが曲がっていくのである。
柄が合ってることも大事。ラインが真っすぐなのも大事。
何せ、このデザインはデザイナーさんが毛筆の直筆で書いたものをデータに取り込んである。細い筆1本1本にこだわっているのがこちらにもわかる。
どちらにしてもラインを戻す必要がある。問題はどれくらい戻していくか?である。
職人さんと5mm戻し、10mm戻し、15mm戻し、とずれを確認し、最終的に
1枚ごとに10mmずつ意図的にシートをずらして貼ることに!
10枚くらい貼ったところでラインが元の位置に戻る。
柄ずれは、間近で見ない限りわからない。
翌朝、支店長以下関係者全員の最終確認は、「綺麗ですね!」の連呼であったのでR
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